リゾットになるパスタ
スープパスタとは
金沢に出張していた時、駅ビルでスープパスタなるものの店を見つけ、昼食をとるために入ってみた。
公式サイトを見つけたのでリンクを貼っておく。
ルウとパスタ ぶどうの木
スープパスタというのは、麺が浸るほどスープの多いパスタを指すらしい。イタリアンのメニューとして珍しいわけではないが、スープパスタ専門店はあまり無いとのこと。
スープ七変化
メニューには様々な種類のスープパスタが並んでいて、確かに普通の(スープの少ない)パスタは見当たらない。とりあえず下のパスタを注文した。
エビとホタテが入っていたメニューで、名前は忘れてしまった。
こだわりの生麺らしく、流石の美味しさだった。
注文の際に店員から「プラス200円で、スープをスープリゾットにできるチーズライスが付いてくる」という話を聞かされたので、よくわからなかったがとりあえず一緒に注文してみた。
すると、粉チーズのかかったライスが出てきた。なるほど確かにチーズライスだ。
チーズライスとしか言い様がない。
パスタを食べ終わった後の、余ったスープにこれを投入すると、リゾット風のものができあがる。これをスープリゾットと呼ぶわけだ。
ラーメン屋の小ライスとスープリゾット
このチーズライスは、ラーメン屋で出る「小ライス」に相当するものだと気付いた。
ラーメンのスープに浸した白飯は非常に美味しいが、どうにも食べ方として下品だ。
パスタのスープだって、そういう食べ方があっても良いはずだが、オシャレではない。
オシャレな店舗でオシャレでない食べ方をするなど言語道断である。
ところがそれを、スープリゾットと呼ぶとどうだろう。
なんともファッショナブルな文化的料理という気がしてくるではないか。
「ダサい」を「ください」にする技術
このように、「望ましい、あるいは合理的ではあるが、世間体が悪くて出来ない」ことに名前をつけ、その行為を社会的に承認してやるという手法は実に面白い。
例えば、冬にワイシャツの下に肌着を着るのは、暖かいが、なんとなくカッコ悪いことだった。
しかし、ユニクロの「ヒートテック」は、その「ダサい」行為を社会的に承認させたのである。
ヒートテックは爆発的なヒットとなり、今や冬場にヒートテック(あるいは他の機能性肌着)を着ない人は居ないほとではないか。
人が「本当はしたいけどダサくてできない」と思っている行為には、爆発力のある市場となる可能性がある。なにしろ本当は皆ほしかったのだから、消費意欲は極めて強いのは言うまでもない。
スープリゾットの存在がスープパスタの店の売り上げを大幅に伸ばすかどうかは微妙なところではあるが…。
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